君と見つける、恋の思い出
「あと一週間もないけど、一年生の内容の復習ってできる?」
……待て待て。
なぜ、二年から始める方向で話を進めている。
なれるかわからないって言うのに。
そもそも、叶花はどう思ってるんだ。
学校に行きたいのはそうだろうが、二年になりたいと思っているのか?
「叶花が望むようにすればいいだろ」
「そうだけど……」
小さくなる声から、本当に叶花のことが心配なんだと伝わってくる。
だが、俺も叶花もガキじゃない。
一人でどうにかできる歳になっている。
「明日、叶花にどうしたいか聞いてみる」
「わかった。お願いね」
……たぶん俺が聞くより先に話しそうだが、それは置いておこう。
「さ、母さん特製カレーの完成だよ」
得意げにしているが、簡単な料理だぞ。
そこまで威張らないでくれ。
そして俺と母さんは久しぶりに一緒に食卓を囲み、夕飯を食べた。