君と見つける、恋の思い出


俺は理解できないし、したいとも思わない。



だが、叶花は違うんだろう。


みんなと楽しく会話がしたいから、このことを理解しようとしている。



……正直、二つ下の学年に混じってて、それが理由で話が合わないんだと思った。


まあよくよく考えれば、歳関係なく、いろんな人と話してきた叶花が、そんなはずはない。



「なんでみんな恋愛に繋げるんだろ。私たち、違うのに。あーあ。蓮くんとの関係、どう説明したらいいのかな」



遊ばれていたスプーンは正規の使われ方をし、叶花はチャーハンを口に運んだ。



俺たちの関係。


そんなの、考えるまでもない。



「友達だろ。それ以上でも以下でもない」



……俺、こんなことが言えたのか。



だが、言語化するなら、俺たちは間違いなく友達だ。



「……それじゃみんな納得しないの」



叶花は浮かない顔のまま、皿を空にした。



周りの納得なんてどうでもいいだろ。


事実を言っているじゃないか。



「難しいねー……でも、私的には蓮くんが私を友達って言ってくれただけで満足! ご飯も美味しかったし!」



……それはよかった。



これで叶花の悩みが解決されたかは不明だが、その話題は終了となり、いつものようになにも話さないで黙って隣にいる時間を過ごした。
< 66 / 240 >

この作品をシェア

pagetop