君と見つける、恋の思い出
俺は理解できないし、したいとも思わない。
だが、叶花は違うんだろう。
みんなと楽しく会話がしたいから、このことを理解しようとしている。
……正直、二つ下の学年に混じってて、それが理由で話が合わないんだと思った。
まあよくよく考えれば、歳関係なく、いろんな人と話してきた叶花が、そんなはずはない。
「なんでみんな恋愛に繋げるんだろ。私たち、違うのに。あーあ。蓮くんとの関係、どう説明したらいいのかな」
遊ばれていたスプーンは正規の使われ方をし、叶花はチャーハンを口に運んだ。
俺たちの関係。
そんなの、考えるまでもない。
「友達だろ。それ以上でも以下でもない」
……俺、こんなことが言えたのか。
だが、言語化するなら、俺たちは間違いなく友達だ。
「……それじゃみんな納得しないの」
叶花は浮かない顔のまま、皿を空にした。
周りの納得なんてどうでもいいだろ。
事実を言っているじゃないか。
「難しいねー……でも、私的には蓮くんが私を友達って言ってくれただけで満足! ご飯も美味しかったし!」
……それはよかった。
これで叶花の悩みが解決されたかは不明だが、その話題は終了となり、いつものようになにも話さないで黙って隣にいる時間を過ごした。