君と見つける、恋の思い出
「二人とも酷い!」
そう言って、叶花は泣き真似をした。
俺と後輩は、揃って嘲笑った。
といっても、特に変わりないように見えたのはお互い様。
「そう言えば、浅賀先輩とさくら、一体どういう関係なんですか?」
「さくらと蓮くんは友達なのです!」
後輩の質問に、叶花は食い気味に答えた。
こいつは本当に学習しないな。
「さくら、ちょっと静かにしてて」
「……はーい」
いじけたのか、叶花は先輩のところに行った。
どうしてあんなふうに言われないと思ったのか、不思議でしかない。
「それで、答えてもらえますか」
だいぶ、叶花のことがわかってきたな、この子。
話が通じない、と。
基本ふざけるからな、あいつ。
「叶花が言った通り、友達」
「学年が違うのに?」
……なかなか鋭い。
だが、その攻め方は少し甘い。
逃げ道があるから。
「中学時代の先輩後輩だと、仲良くなるだろ」
「浅賀先輩が望んでさくらと仲良くするとは思えません」
俺も思えません。