虹色〜番外編〜
一瞬のできごとに思考が停止する。
えっ、なにがおこったの。
女子生徒の叫び声で我に返る。
蛍はこの大勢のひとがいるなかで、
あたしのくちびるに軽くキスをした。
「ちょ、ちょっと、蛍……っ」
目の前でしてやったりと言わんばかりの顔で
あたしをみている蛍。
蛍のばかばかばかばか!
みんながみてるのに!
顔が赤くなっているのがわかる。
……だけど、
「……蛍、だいすきっ……」
ほんとはうれしいんだ。
きっと、
これからもあたしは、
このかっこいい王子様に
ふりまわされつづけるんだ───。
『…すき。』 END.