ハロウィンの館〜八年越しの復讐〜
「……助けて……。お願い、許して……」

メイリスに私は頭を下げる。人生で初めて人に謝った。しかし、返ってきた答えは無情だった。

「それは無理よ。……私は、あなたたちを許さない」

メイリスが私を睨みつける。私は一歩後ずさった。

「……そろそろ始めましょう。ああ、別に暴れてくれてかまいません。そうなったら全力で押さえつけますし、その方がこっちも楽しいですから」

包帯人間がそう言い、メイリスに「どうぞ」と言う。私の処刑が、始まる。

「……罪はいつか必ず裁かれる。そう二度も言われたのに、あなたは何も感じなかった。愚かで生きていてもしかたがないクズ」

そうだ。メイリスの親にも同じようなことを言われた。どうして大切なことをこんな時に思い出すんだろう?

ああ、私たちはメイリスたちに飼いならされていたんだ……。

メイリスが鎌を持ち上げ、嗤う。

「trick and treat?」

館に笑い声と、叫び声が響いた。
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