イジワル同期は溺愛パパ⁉ でした

「ねえ、あの子ってなん歳くらいかな?」

私が気になったのはママの方ではなく、ベビーカーに大人しく乗っている子供の方。安藤の甥っ子は五歳。さすがにあの子よりは大きいだろうと考えを巡らせた。すると母親が鮮魚コーナーに向かっていた足をピタリと止める。

「なに、急にどうしたの? 子供が気になるなんてアンタ、まさかデキた、とか?」

私に振り返った母親の目が、ビー玉のように大きく見開かれている。

子育て経験がある母親なら、あの子がいくつぐらいなのかわかるだろうと思っただけ。

「デキてないからっ! 彼氏もいないのにデキるわけないでしょっ!」

まさかの勘違いをする母親の“デキている疑惑”を全力で否定した。

「それもそうね。一歳前後じゃないの?」

「ふ~ん」

母親はベビーカーに乗っている子供をチラリと見ると、鮮魚コーナーに向かって再び足を進め始めた。

ベビーカーに乗っているあの子が一歳前後なら、あっちの通路を歩いている子はいったいいくつ?

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