そんな目で見ないでっ!
外に出てとぼとぼと歩いていると、後ろから誰かがついてくる足音が聞こえてきた。

辺りはすっかり薄暗くなっている。

秋菜は怖くて早足になった。


「秋菜!待てって!」


司の声がしたので、秋菜は一気に緊張が解れ、その場に座り込んだ。


「な、大丈夫か?」


司が心配そうに顔を覗き込むと、秋菜は目を潤ませて


「怖かった~!
何であんたが追い掛けてくんのよ~!」


と半べそをかいた。

司は秋菜があまりにも可愛くて、思わずギュッと抱きしめた。

また抵抗されると覚悟していると、秋菜は司のシャツをギュッと握りしめていた。

司はあまりの嬉しさに涙が出そうになり、慌てて秋菜から離れた。


「おばさんからメール来てさ、秋菜が一人で出かけたって聞いたから走って来たんだよ。
危ねぇじゃん、夜道はさ」


司の言葉が素直に嬉しくて、秋菜はありがとうと呟いていた。
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