お嬢様は恋をしません。
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「高嶋奏多くん、ですよね?」




両親の葬式で話しかけてきたのは、俺と同じ高校の制服を着た女の子、西条莉緒だった。




「そう、ですけど」




どうして、ここにいるんだ?



金持ちのこいつが、ここに来る理由なんて、ないだろ。




西条は静かに涙を流す俺にただ、頭を下げた。




「先日、野蛮な輩に絡まれていた私をあなたのお父様に助けていただきました。



いつか、お礼に参ろうと思っていたのですが、こんなことになってしまうなんて」




両親は交通事故に巻き込まれて死んだ。



父さんは、空手道場の先生で、よく俺の面倒も見てくれた。



おかげで俺は有段者。



ケンカをふっかけられることもあったけど、軽く流せる程度の度量があったから、不便はしなかった。



そんな、空手を教えてくれた父さんが、こんな清楚な小さい女の子を助けた?



子ども苦手なのに?
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