消える僕の前に、君が現れたら。
ヒロくんに頼んで、大学はしばらく休むって連絡してもらった。

季節外れのインフルエンザって事にして。

また体が悪くなる前に病院食にしては割と美味しいご飯を食べた。

ヒロくんや担当の看護師さんは全部食べないと怒るから渋々食べるけど。

2日間ですごい数の検査。

血液採取、レントゲン、MRI。その他諸々。

ヒロくんは、僕の頭と体が整理がつくの待ってたと思うけど、頭痛が続いてたからそれを報告した。

「いや平気だよ?少しズキっとしてるだけで」

「…大脳がやられてた」

「…へ。どういうこと?」

少し、笑いが混じった。

「意識系のとことか言ってたけど正確には大脳。厄介なことに記憶の部分とほかの部分の間にあるから、さ。少し記憶が飛んでたりすると思う。飛んでたとしても多分最近のだと思うけど」

「そっか」

「手術は明後日。肺からやる肺の方が重いから」

「頑張るよ」

「全力尽くすから。絶対治すから」

力強く頷いといた。

起こしていた体を倒して、一息つく。

最近は、すぐこれだ。

3日くらいしか生活してないけど、会話だけでも体力がすぐ無くなる。

ご飯の量もだんだん少なくなった。

けど、全部食べようと頑張った。

明後日の前に、やりたい事がある。

死んでしまう可能性を秘めている前に、1つ。

「ヒロくん」

「ん?」

「明日、大学行かせて欲しい。友達が作ったご飯食べに行きたい」

「んー。…考えとく」

「今日沢山寝とく。今から寝るよ」

「元気にしとけよ。薬忘れんなよ」

「わかってるよ」

寝る前に薬を飲んで。

瞳を閉じた。




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