今夜、夫婦になります~俺様ドクターと極上な政略結婚~
誕生日を祝いたかったと怜士が言ってくれたのは、もう来年は無いからなのかもしれないと、沙帆は与えられる甘美な時間の中でそう思っていた。
怜士の気持ちが嬉しい想いと、着実に近付いてきている別れの時。
唇の感触を堪能するようなキスに、沙帆の方もいつのまにか必死に応えようとしていた。
唇を固くしていた沙帆が、受け入れるように結んだそこをわずかに開くと、怜士はそれを察して沙帆の髪に指を差し込む。
首裏に怜士の手が添えられ、更に口付けが深まった。
触れる怜士の唇から何かが流れ込んでいるように、沙帆は熱に浮かされ、ベッドに蕩けていってしまいそうだった。
初めて体験する、身体の奥で疼く熱に困惑する。
やがて沙帆の唇から離れた怜士の悪戯な唇は、そのまま沙帆の耳朶へと近付く。
軽やかな音を立てて口付けると、そのダイレクトに届いたリップ音に沙帆は身体を震わせた。
「っ、怜士さん、やっ……」
待ってと怜士の肩に手を置いても、その手はすぐに取られて指を絡まされてしまう。
耳元から顎のラインを伝い、首筋に感じた唇の生温かさにぞくっとした時、リビングから部屋の呼び出し音が響いてきた。