ハイド・アンド・シーク

あぁ、やっぱり親睦会なんて参加するんじゃなかったかな。
そもそもこの人は、幹事なのにこんなに酔ってて大丈夫なのだろうか？

ふと私の手元を見て、越智さんが距離を詰めてくる。


「森村さんもグラス空いてるじゃん！お代わりしようよ！」

「あっ、いいんです！私、あまりお酒を飲むと具合が悪くなってしまうので……」

「またまたぁ！そんなこと言って。何にする？」

─────茜たちが遠くでこちらを見てニヤニヤしている。恨んでやる！

「……えーと……、烏龍茶を」

「すみませーん、ピーチフィズお願いしまーす！」

「あ、ちょっと勝手に違うの頼まないでくださいっ」

「森村さんはピーチフィズって感じがするんだよなー」

─────私はあとどのくらいこの人に耐えればいいの？


もういいや、という投げやりな気持ちになり、仕方ないのであと少しこの酔っ払いの相手をして即帰ろうと決めた。
ピーチフィズが届くまで、ひたすら彼の質問に答え続けるハメになった。