キスからはじまる
キス1


「胡春?もう放課後だよ?」


目の前には、メグちゃんのドアップ。


わたしはワンテンポ遅れて「わっ」と小さく声をあげた。


ぼーっとしちゃってたよ。


「行かないの?」


今日はメグちゃんと学校の近くに最近新しくできたパンケーキ屋さんに行くのだ。


「ううん、行くっ。すぐ片付けるね」


わたしは未だに机の上に出していた最後の授業の英語の教科書とノートを、急いで鞄の中に詰めた。


「そんな急がなくていいよ?」


「うう…ありがとう」


メグちゃんはいつもわたしのペースに合わせてくれる。


昔から基本スローペースなわたし。


素早く行動しようとしたら、逆に間違えたりしてしまう。


ようするに、どんくさいんだよね。


シャキッとテキパキしているメグちゃんは、わたしの憧れ。


見た目はどうにもならないけど、中身はもう少しくらい、わたしもメグちゃんみたいに大人っぽくなりたいよぉ。


見た目はどうにもならないと言ったわけは、

わたしの身長は155センチで、顔も童顔だから、悲しいことにたまに中学生に間違えられるのだ。


この子供っぽい黒髪ボブの髪型が原因のひとつかもしれないけど、幼く見えるとか関係なく、これはこれで気に入ってる自分がいる。


それに、伸ばそうと思っても、待てずについ切っちゃうんだよね。


「おまたせ、メグちゃん」


わたしは席をたち、カバンを肩にかけた。


「じゃあ、いこっか」


「うんっ」


メグちゃんの後ろをついていくみたいに教室を出て、

廊下をふたり並んで歩いた。

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