焦れ恋ロマンス～エリートな彼の一途な独占欲
「それにしてもびっくりしたな。まさかここまで服装が被るなんて」

「本当に」

電車に乗り込み、並んで座ると話題はもちろん服装のことになる。

別に合わせようとして合わせたわけじゃないのに、ここまで被るなんてびっくりだ。

「でもある意味思い出に残っていいかもな」

「そうだね」

朝の一幕だけで、忘れられない一日になっちゃったもの。

電車に揺られて向かった先は、海沿いにある人気のアミューズメントパーク。

絶叫系から小さな子供向けのアトラクションはもちろん、夏は隣接している大型野外プールも人気だ。

スマートに、私との待ち合わせ前に彼はコンビニで前売り券を購入してくれていた。

お礼を言って受け取り、早速園内に入ると休日ということもあって既にたくさんの人でいっぱい。

「予想はしていたけど、やっぱり混んでいるね」

「あぁ。アトラクションに乗るにも時間がかかるかもな。……でもその分、待ち時間にたくさん話そう」

普通は苦痛に感じる待ち時間も、そういう考え方で待っていたら全然苦痛にならないかも。
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