僕に君の愛のカケラをください
葉月は、洗濯、掃除を終えると、ホームセンターで購入した日用品を収納棚に整理していった。

この生活は、蒼真との約束で、葉月が新しいペット可のマンションを見つけて引っ越すまで。

生後3週で離乳食、2ヶ月で固いフードに変えていく。

生後3か月からは一人で留守番できるようになるし。

"問題はどのタイミングで不動産巡りをするかだな"

その時、蒼真は寂しがらないだろうか?

葉月はそれが一番の心配事だった。ああ見えて蒼真はかなりのさみしがり屋だと思う。

それにしても、あの凪沙という女性が言っていた事。

『その子なら隣においておけるんだ?』

ってどういう意味だろうか?

マンションには女性は入れないってこと?

葉月は、夢にうなされる蒼真の姿を思い出し、蒼真はあの姿を他人に見られたくなかったのではないかと思っていた。

勝手な思い込みで思わず、蒼真を抱き締めて眠ったけど、本当は迷惑だったのかもしれない。

"これからはそっとしておこう"

葉月は、考えすぎて、蒼真の求めている本当の答えから逆行しようとしていた。

もうすぐ夜が来る。

ペットヒートを敷いて保温し目隠しをしたゲージに眠るジロウがモソモソと動く音がする。

蒼真は、自室で先程の取引先とのやり取りを文書にまとめている。

昼間の様子では、ジロウの授乳間隔は三時間でもいいかもしれない。

葉月は、ジロウの成長日記に観察したことを記載した。

フリーメモの欄には、蒼真の萌えポイントもこっそりと記載しながら。





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