ONE〜想いは一つ〜
「…あの、由香里?言ってる意味が分かんないんだけど…?」

ギロッ

蛇に睨まれたカエルって、この事を言うんだろうか。
由香里が続ける。

「あんた、夏帆が抜けた分誰がかぶるのよ。ただでさえ、救命センターは離職率高いのよ?分かってんの?やってもらうからね」

ニッコリ笑った由香里が怖かった。

「けどさ、そんな私に務まらないかも?ね?」

また睨まれた。
怖いよ、怖いって、由香里。

「な〜に言ってるのかしら?佳織。あんた、看護師よりも立派な免許持ってるじゃない!医師免許!」

「うっ…」

そう、私は医者。

ついこの間まで、救命医師として働いていた。


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