キミのために
「ねえ、香織。」
私は、昔からの親友である咲楽と一緒に家へ帰っていた。
「ん?何?」
「香織ってさ、好きな人とかいないの?」
好きな人、か…。小5の時に失恋して以来、3年間は恋愛について考えてなかったな…。


―彩葉 小5の自然学校
「ねえ、壮介。」
私は、自然学校の時のカレー作りで、周りに誰もいないことを確認してから、初恋の人の名前を呼んだ。
「何、松富。」
よし、今告白しよう。
私は腹を括って、ずっと言い出せなかった言葉を言った。
「私、壮介のことが好き。付き合ってくれない?」
私は思いっきり頭を下げた。壮介の顔を見るのも、壮介に私の顔を見られるのも、この時は恥ずかしかったから。
「ごめん、無理。人参もいいくらいに柔らかくなってるな。」
…え?もしかして、これで私は失恋したことになるの?え、こんなあっさり失恋していいものなの?っていうか、私の告白よりカレーの方が大事なの!?
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