エレディンの乙女と青龍の守護者
1.風が吹く
つま先が冷たい。
何がどうなっているのか、
冷たく、どこまでも続く
大きな石の階段を降りていく。

頭はぼんやりして、体はふわふわと軽いのにどうも力が入らない。

だけどそんなことには構っていられない、
気持ちをしっかりと引き締める。



明かりもない。
目は開けている、、はず。だけど、開いているのか暗闇なのかさえわからない。確実なのは足元の冷たさと硬さだけ。冷たい階段が続く。


どれだけ降りたのか、
急にひゅぅっと冷たい風にあおられた。
瞬間、むせ返りそうなほどの甘い香り。

『外だわ!』

だけどそこも闇だった。
見上げると小さな星、
向こうに小さく揺れる灯りがいくつか見える。

目の前は花畑なのか、暗くてよくは見えないけれど、辺りは甘い香りで満ちている。

「すごい、、」

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