エレディンの乙女と青龍の守護者
「すでに神官らに囲まれている。
乙女も儀式に則ってでなければ嫌らしい。」
カミユは目を見張った。
「昨夜は、そのようなことはなかったではないですか?!むしろ迫ってきていたはず!」

「知らぬ。
さきほどは抵抗された。」
「なんと?!抵抗ですか!?」
ウェルロイドはぶっきらぼうに答えた。

口づけひとつ、あんな抵抗をされたのは初めてだった。嫌だと言いつつ、口では恥じらって見せているだけ、、というのではなかった。
本気で嫌がっていた。今までの経験にはなかったことだった。
それがショックだった。


視線の先で栗色の髪がふわっと広がった。
神官に手を差し伸べられ乙女はベッドからふわりと降り立つところだ。

『立ち昇るような、甘い香りだった。

柔らかな肌で、触れると手に吸いつくようだった。
ほどよくはね返すような弾力があり、それでいて水々しい、、』

栗色の瞳がこちらを向いた。
横で神官が何かを言っている。

ウェルロイドは意識を引き戻すようにかぶりを振った。
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