あなたが居なくなった日。
言いながら席を立とうとしたその時、いま一番聞きたくない声が私を呼んだ。
「三咲ちゃん、おはよう」
「楓!待ってよ!私も行くって!」
聞きたくなさすぎて私はその人を無視。
が、それはうまくなかった。
「三咲ちゃん、お。は。よ」
人様の教室に何の遠慮もなしにその人は入り込んできた。
それからみるみる間に距離を詰め。
「きゃー!じゃあ三咲、頑張って♪」
私の両頬をその美しい手のひらでがっしり挟んで超がつくほどの至近距離で朝の挨拶を繰り返す。