あなたが居なくなった日。
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授業は平穏だった。
今日は惚けることもなかった。
馬鹿みたいに雑学をまとめたりもしなかった。
ただ先生の言葉を聞いて、黒板に書いてあることをノートに写して。
先生が出す問いはとくけれど自分から手を上げて答えることはしなくて。
目立たずひっそり後ろの席で授業を受けた。
合間の十分休憩も何事もなかった。
楓と一緒にお手洗いに行ったり、喉が渇いたからと自動販売機にジュースを買いに行ったり。
そこで交わした会話もそうだ。