旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~
「……あー、悪い。急ぎ過ぎた。香澄のペースに合わせるって言ったのにな」

 成暁さんは自嘲気味に笑う。

 言わないと。言葉にしなければ伝わらない。

「あのっ」

「体調も悪いのに襲って悪かった。玄関まで送るよ」

 お、襲ってって……!!

 衝撃発言に、もうすぐで出そうだった言葉がひゅっと引っ込んでしまった。

 成暁さんが車を降りてすぐに、玄関の扉から叔父さんが出てきた。成暁さんはフロントガラス越しに、私に「待って」と手で制してから、叔父さんに歩み寄る。

 ふたりでなにを話しているんだろう?

 気になるけど、待ってと言われたら待つしかない。

 しばらくして叔父さんは家に戻っていった。

 成暁さんがドアを開け、いつものように手を差し出してくれる。手を重ねて車を降りてから聞いた。

「叔父さんとなにを話していたんですか?」

「香澄の体調について話しておいた」

 真剣な顔つきで言われて胸がざわついた。成暁さんは手を繋いでいないほうの手で、私の頬をするりと撫でる。
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