diaryとも言えないもの
陽射しが心地良い日。

ウッドデッキに腰掛け、姉のトロンボーンの音を聞きながら、思い付く。


___暇な毎日に、日記でもつけよう。



シンプルなきっかけだ。
私はここでは、素直な自分の気持ちを表そうと考えている。

あ、また、トロンボーンの音が___。


なんて、そんなことはどうでもいい。
私は目を閉じ、もう関わることのないだろう、あの人の顔を思い浮かべた。

___無邪気な笑顔ほど、恐ろしいものはないな。

そのまま思い出に浸りたかったけど、頭痛がし、すぐにやめた。


* * *


『誠実に生きなさい』
世間はこう言う。

ならば、自分にも誠実に生きなければならないのではないか。

無差別殺人を聞いたことがあるだろう。
加害者たちは、皆、むしゃくしゃしてやった。という。

世間はこれに
『頭がおかしい』『人格が破錠している』『未来がある者たちに私情を挟むなんて』
と批判する。

私はこの批判に、批判だ。
言っていることが矛盾しているからだ。
彼らは、ただ自分の気持ちに「誠実」になっただけであろう。
世間の言うことに、従っただけであろう。

それの、何がおかしい。


< 1 / 2 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop