その笑顔、私のモノ
chapter4


***


「いらっしゃいませ〜2名様でよろしいですか?」


結局、遥人は断ること無く、そのまま私に付き合ってくれた。
遥人の泊まっているらしいホテルの近くにある居酒屋に入る。

ちなみに、私とあった場所はホテルから歩いて5分位のところで夜ご飯を食べに行く途中だったらしい。


「とりあえず、俺はビール。
彩子は?」


席について、早速遥人はビールを注文する。
いつもは弱いからと言って、外ではあまり飲まないけど、今日は飲まないとやってられない。


「ん〜…ジントニックで!」


でも、ビールは苦手なので、カクテルにする。
あとは、遥人が適当に食べ物を何個か頼んだ。

注文してから直ぐに飲み物が届く。


「とりあえず、乾杯?」


何故か疑問形で言った遥人のグラスに、私のグラスを合わせる。
そのまま、グイッとグラスに入っていたのを一気に飲み干した。


「ちょ、彩子、やめとけって。
お前、酒弱いんだから…」


遥人が呆れた様にそう言ったのは、もうグラスが空になってから。
そして、直ぐに次のお酒を頼んで、届いた料理を無言で食べ始める。

遥人はそんな私を何も言わずに見ながら、飲んだりたまにご飯をつまんだりしていた。


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