双子の弟と幼なじみ
「わかった。何出しても文句言わないでね」


「あぁ、わーってる」




そんな一通りの会話をして、僕は笑って教室を出ようとする。




「2人が揃ったら、どっちかわからないねー」


「でも、2人とも可愛くて近づきがたい…」




そんな声が、ちらほら聞こえる。




言ってしまえば、双子だから何か嫌なことなんて今までなかった。


世間の双子みたいに、弟が憎いだとか、兄が妬ましいだとか、そう言う感情は少なくとも僕にはない。


なんなら、悠宇のことは結構好きだし、もしみぃが悠宇に取られたとしても、悠宇ならまだ許せる。


…いや、嫌だけどね?


やりたいことに一生懸命になれる悠宇はかっこいいと思うし、結構自慢できる。




「あ、歩宇」


「ん?」




悠宇に呼び止められて、ふっと振り返ると悠宇は真顔で突っ立っていた。
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