一期一会
「亜由!理沙ちゃん!」

久しく会っていなかった友人だった。
成実ちゃんと紘子ちゃんに改めてお礼を言って、訪ねてきてくれた二人に駆け寄る。


「「誕生日おめでとう」」

そう言って二人はラッピングの袋を差し出した。

「二人とも、覚えてくれてたんだ……ありがとう……」

私はお礼を言って包みを受け取る。

「当たり前じゃん!」

亜由が笑顔で返す。

「瑞季、友達ちゃんと出来て良かったね。あんなに拗ねてた入学式の日が懐かしいな」

理沙ちゃんが安心した顔で言う。

「うん、そうだね。本当に懐かしいな。これ、開けて良い?」

二人に確認してから中を開けると、やっぱりネコのキャラクター。

「さすが亜由と理沙ちゃん。わかってる」

可愛い茶碗とお箸だった。
沢山ご飯を食べる私のことを分かっているな。流石。

「モチのロンです!」

「二人ともありがとう」


朝から凄く良いことづくしだ。

誕生日って最高……。


亜由達と話していると視界に端っこに中原君が映りこみ、急に心臓が速くなる。

彼も私に気付いたようで、こちらへと近付いてきた。
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