Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~


そんな俺の言葉に、颯人は一瞬目を見開いてから、今まで見たことないくらいの満面の笑みを浮かべた。


わ……。


思わず言葉を無くして見惚れてしまう。


余程ポカンとした顔をしていたのだろう。
俺の顔を見ながら颯人が言った。


「螢、スッゴいマヌケ面」


その瞬間、彼の漆黒の瞳が目の前に迫ってきた。と思ったら。


ふわり。


唇に柔らかい感触が掠めた。


ほんの一瞬のくちづけ。


「ふはっ、螢かーわいー」


クスクス笑いベンチから腰を上げた颯人を見上げ、俺は真っ赤になって声をあげた。


「……っからかうなって!!」


「ははっ、面白い」


まったく……颯人って奴は、見かけによらず案外中身はガキなのかもしれない。
しかもたちの悪いクソガキだ。





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