覚悟はいいか!【完結しました】
対峙side誠



やっぱり、無謀だったかもしれない
俺はみのりと優を病室に残して出てきた
今さら後悔してしまう

よく考えたらそうだ
傷付けた人間と傷付けられた人間を対峙させるなんて
しかも優はさっきまで意識を失うほどにショックを受けていたのに


「誠、大丈夫だよ、優ちゃんなら………」

「慶太………」

「なんか、不思議な子なんだよね……優ちゃんて」

「不思議?」

「なんて言うのかな………確かに見た目は美人だ
でもだからと言って優ちゃんより美人は山ほどいてるよな」

「慶太、」

「違う!誤解すんな、別に貶してない!寧ろ誉めてる!」


俺の低い声に慶太は慌てて弁解する
人の女を………どこが誉めてるんだよ
まぁ、他の男になんて美人だとかなんて思われたくない
優のことを見られるだけで腹立つ


「人受けすんだよ」

「………」


それは、わかる
隆也も言ってた
だから、俺達は"優なら大丈夫だ"なんて思ったんだ

司や洋介、悟も気に入ってたから
慶太だって


「同行してわかるわ、あの子は秘書に向いてる
一歩下がる、男を立てる、気持ちいいんだよな
だから、相手も機嫌良くなる
女相手でも
まぁ、見た目がいいからってのもあるけど
まぁ、何より頭がいいからな」

「あぁ、」


普段は感じないが仕事では頭の良さを痛感する
大学を聞いて納得した
トータル的に優れてる


「基本、社長クラスの男なんてわがままで自信家でどSだ
特に会長クラスになると、意地悪い質問も
まぁ、きっちりこなしてるよ」

「そうか、」


その時、誠!と焦った声が聞こえて慌てて中に入った





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