覚悟はいいか!【完結しました】
本気?



「ずっと好きだった」


課長は間違いなくそう言った
好き?
私の事を?



「悪かった、昨日は久しぶりで……がっついた……
身体は大丈夫か?」


恥ずかしそうに言う課長に嘘は見当たらない
え?
どういう意味?
昨日の事はワンナイトラブじゃないの?



「えっと、か、課長……?」

「課長、か……昨日は名前で呼んでくれたのに……」



そう言われて、かーっと身体中が熱くなった


「酔った勢いじゃ?」

「そんなはずないだろ?俺はそんなに弱くない
昨日はどうしてもお前を抱きたかった
ちゃんと好きだから
責任取れって言うなら願ったり叶ったりだ
喜んで取るよ」


せ、責任って!なんの?
エッチしたのに?



「か、課長……あの私………」

「誠………だろ?そう呼んで」

「……っっ!」


イケメンの甘えた姿は毒でしかない
それに耐えるほどの経験は私にはない



「ま、誠さん……」

「うん、なに?」


一瞬にして蕩けるような笑顔に真っ赤になってしまう
この人、だれ?
こんなに甘い人なの?


ふと、女の人が会社の前に居たこととか
昨日の事が甦ってくる


そうよ、私にだけじゃない
期待しちゃダメ
勘違いしちゃダメ


百戦錬磨の彼にとって数ある女性経験の中でも私はそのうちの一人でしかないのだから

すーっと覚めていく感情を感じた
例え、ヤり逃げ常習犯である私でも
二番手は嫌
浮気だって許せる訳じゃない




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