覚悟はいいか!【完結しました】



何て声を掛けたら良いのかわからない
私自身も信じられない事実だから………

美幸の言うとおり今までの隆也を考えると"好きな人が出来た"って言うのには納得してしまう
今の話を聞く前に、美幸がお手洗いに行った時に誠さんにはメッセージで送っておいたけど…………

今の話を聞いてしまうと、この二人がどうなってしまうのか皆目わからない
誠さんからもメッセージは届いていないから…………

事実なのか、誤解なのか


いや、十中八九誤解なんだろうけど
今はまだ、その誤解を私が解くことは出来ない


「で、でも隆也から誘いがあったんでしょ?
美幸が誘った時は何か用事があったんだよ」

「女と?」


間髪入れずに突っ込む美幸に言葉が詰まる
隆也が美幸以外の女と歩く姿なんて付き合う前の学生時代でさえも見たことがない

それは、美幸だって
だから、美幸は別れを言ったんだ


「でも、さっきも言ったみたいに隆也からは誘いがあったんでしょ?
隆也は二股とか出来るような男じゃないよ
それは、美幸が一番よく知ってるでしょ?」

「知ってるよ、知ってるから………
会ったら別れ話かもしれないじゃない
怖かったんだよ…………会って隆也の顔見るのが」


私はぎゅっと握られた美幸の手にそっと自分の手を重ねた
触れた美幸の手が震えている

私は何があっても美幸の味方
私が辛かった時、一緒に泣いてくれた


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