覚悟はいいか!【完結しました】
ライバル?



「津川さん………」


後ろから呼ばれて振り返れば、人事担当の主任が立っていた
あれ?
私、何かあったかなぁ
え?もしかして、異動?

私が呼ばれたことで、少し課にピリッとした空気が流れた



「津川さんへの話は俺も入っていい?」


部長がそう言って空き会議室を探しに言ってくれた



「急にごめんなさい」

「あ、いえ……」


人事の主任は女性だ
あまり話をすることがないので少し緊張する



「部長に怒られるだろうな………」

「え?」


主任は少し困った様に笑った
そのあと、じっと私を見てくる
その視線に何だか居たたまれなくなって視線を外してしまった


「津川さんって………」

「悪い待たせたな、第二が空いてる」


主任が何か言い掛けた時に部長が戻ってきた
私たちは部長のあとについて行った

部長は部屋に入ると、少し苛立ったように椅子に乱暴に座って足を組んだ


「社長か?」

「はい、」

「強行で来やがったか」


部長は知ってたんだ
やっぱり、異動?


「俺から言って良いか?」

「はい、その方が……」

「津川、お前に社長秘書の話がある」


え?
社長秘書?

あまりに驚きの人事に言葉にならなかった


「前から打診があった
でも、経理もお前が抜けたらかなり痛いからな
勝手だったが、俺がずっと拒否してた
でも、社長が強行に出たな
人事主任を直接寄越した
たぶん、まだ決定じゃない
ただ、お前の耳に入れろってことだ」


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