覚悟はいいか!【完結しました】




「大丈夫でしょう、私も感じましたから
彼女達は優秀な方たちです
社長の言いたいことは理解されます
反省されるでしょう
ただ………」


神崎室長はチラッ私を見た
私は不思議に思いながらもペコリと頭を下げた



「まさか、こんな方とは………
社長にしたら、かなり真面目、且ついい人選です」

「だろ?」

「だからこその、嫉妬ですね」

「あー、そっか」

「そして、この容姿に経歴………
彼女達がどこまで知っているのかはわかりませんが……」

「だよねー、あの目ちょっとヤバかったなぁ………」


ポンポンと会話をしている二人に私はただ呆然と立ち尽くしていた
その会話は私の事を言っているんだろうけど


「津川さん……」

「はい」

「申し遅れました、第一秘書の神崎佑馬と言います」

「津川優です、よろしくお願いします」


漸く話が終わったようだ
途中からはちんぷんかんぷんな話になっていた

社長室に入ってから、もう10分以上は経過しているのではないだろうか?


「18分」

「え?」

「今までで最長記録です」

「え?なんの………」

「社長室に入ってから18分が経過しました
あなたは、ただ黙って私たちの話を聞いていた
今までの秘書は精々、5分が限界
私たちの話を遮っていました
秘書は時には黙って事の経緯を見ておくことも必要です
会話を遮るなんてあってはなりません
あなたは、姿勢を崩すことなく18分間私たちの話をただ聞いていました」

「はい」


内容はちんぷんかんぷんでした、とは言えない



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