極上御曹司の愛妻に永久指名されました
田島さんと小春は離席中。
「紫ちゃん、イブの夜に副社長の予定入れちゃってごめんね。先方がどうしてもって言ってきてさ」
長谷川が私に向かって手を合わせる。
「謝らないでよ。クリスマスよりも仕事優先なのは当然だよ」
気にしないように笑って見せたら、長谷川が悪戯っぽく目を光らせた。
「ふーん、そんながっかりしてないんだ。これは副社長に報告したら、残念がるだろうな。副社長、本当はいろいろ計画してただろうに」
「ちょっと、変なこと報告しないでよ。お仕置きされる私の身にもなって」
慌てて止める私に、彼がフッと微笑する。
「愛しいが故だよ」
「愛しいって理由があればなんでも許されると思ってるでしょう!あなたたちは!」
恋人に意地悪なのは恭一だけじゃない。
目の前にいる男も小春のことを溺愛していて、彼女の話によれば、懇親会で酒に酔ってうっかりお店で寝てしまった時はかなり長谷川にお説教されたらしく、週末は朝まで抱き潰されたらしい。
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