元カノと復縁する方法
「今、何を考えてる。」

身体を離してそう聞く桐山の顔を見て、旭は悟った。

この人、本気で私を・・

あぁ、そんな苦しそうな顔、しないで。

決意を固めた顔で桐山を見る。

「桐山さん、ごめんなさい、私・・」

そう言いかけた口を慌てて手でふわりと塞がれる。
先ほどの凶暴な気配は静まった。

少し目を見開いたその顔には、焦りが浮かんでいる。

「言わないで。」

「ごめん、俺が悪かった。」

切ない声に胸が締め付けられる。
ぎゅぅ、と強く抱き締められた。

もう駄目だ。この人をこれ以上、苦しめられない。
熱い腕の中で、旭はそう思った。
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