サヨナラの向こう側

優しい手

放課後になって奈緒の彼氏の家に向かうことにした。


達也に今日は奈緒と遊ぶと伝えると


『なんだー残念!
昨日の埋め合わせをしようと思ってたのに』

達也は大袈裟に肩を落としてみせる。


『まぁいいや。奈緒ちゃんと楽しんでこいよ♪』


それだけ言うとあたしに背をむけ帰っていった。


『彼氏のお許しも出たことですし行きますかー♪』


その背中を見送るあたしの腕を引っ張りながら奈緒は先を急がせた。



『駅まで健ちゃんが迎えに来てくれてるから★』


彼氏の健ちゃんは大学生。

車でお迎えなんて羨ましい…


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