御影第一高校の昼休み

ともかく午前の授業は終了。

とりあえず一息つける昼休みだ。

「よー、昼飯食おうぜー｣

友人が椅子を引きずりながら僕の机に近づいてくる。

ガガガッという耳障りな音。

同じような音が教室のそこここから聞こえてくる。

昼食時は、教室に幾つかの輪が出来て、それぞれが仲良しグループの中で食事をとる。

例外なのは学食で食事をとる為に教室を出て行く連中。

それから、宮川と四門さんくらいだろうか。

「前々から思ってたんだけどさ｣

友人がコンビニの袋から紙パックのカフェオレと焼きそばパンを出しながら言う。

「宮川と四門って付き合ってんの？」

「まさか」

今年高校受験を控えてるっていうのに甲斐甲斐しく手作り弁当を持たせてくれる彼女に感謝しながら、僕は机の上に小さな巾着袋を置いた。

「四門さんみたいなキツメの美人が、宮川に興味持つとは思えないけどなぁ｣