ハル色に染まるるを…


「ゆいに教えるには、まだ早いかな〜♪
さあさあ、そんなことより
さくらんぼティーですよ、お嬢様。」


そう言って、ハルくんは
運んできた紅茶にさしたストローを
私の口に無理やり突っ込んできた。



ーーーもうっ!


またそうやって、はぐらかす!



「ちぇ〜。」


一気にテンションダウンし、
伸ばしていた背筋を丸める私。


「そんなことより、ゆい。
仕事、どう?イジメられてないか?」


ソファーの下に座った
ハルくんが、急に真面目な顔をして言う。



「ぜんっぜん!みんなチョー優しいよ。
スーパーホワイト企業だし!」


ここ2週間くらいは、ちょっと忙しくて
私も残業してるけど…

最初の1週間は、皆定時で帰ってた。


「へぇー?会計事務所って
ブラックな所多いって聞くけど良かったな。」


ハルくんが安心したように笑った。


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