大好きだったから。〜また一緒に笑ってくれますか〜

1.新しい季節

そよ風に乗って、桜の花びらが1枚ひらりと部屋の中に舞い込んできて、私の左肩に落ちた。
多分、目の前の学校の校庭で、葉桜になりかけている桜の木から飛んできたんだよ、きっと。
ーなんて言ってる場合じゃない!
鏡に映る自分の姿にツッコミを入れながら、私はまだボサボサな髪の毛をといで、溜め息をついた。
今日は、新学期だからクラス替えがあるんだ。だから、早く準備しないと。
あっ、いけない。
自己紹介するの忘れてた。
はじめまして。私、加島 千鶴(かしま ちずる)!
小学4年生、ちがうちがう。今日から5年生だった。
改めて、小学5年生のバカでアホで明るくてポジティブな女の子です。ってよく友達に言われるけど、バカとアホは余計だよね。
今、すごく悩んでいることがあるの。それはね…...。
「千鶴ーっ!何やってるの!?早くしないと学校遅れちゃうよ!」
階段の下から、お母さんの大声が聞こえてきた。慌てて目覚まし時計を見ると、7時50分。
あっちゃ〜、登校班で行かないといけないから7時55分までに出ないといけないんだった!
急いで階段を降り、朝食をすませ外へ出た。
あっ、でも学校家の真ん前だから登校班で行けなくても間に合うんだな〜。



学校へ行き、上履きに履き替え、体育館に向かった。
私は、5年3組だった。
3・4年同じクラスだった、上田 柚(かみだ ゆず)とまた、同じクラスですごく嬉しい!
柚は、明るいけどすっごい毒舌なんだ。でも、優しい時もあるよ。ほんとにたまにだけどね。



「みんな、どこでもいいから好きなところに座って」
これが担任の先生の第一声だった。
女性の先生でとても声が大きくて高くて明るい感じ。
私は、ワクワクしながら小声で
「ねぇ〜、柚。担任の先生とても優しそうな人だね」
「そうだね」
とニコニコしながら柚が言った。
なんか今日は柚優しいって思っていた時、担任の先生が
「新しい黒板に書くのドキドキするね」
と言いながら大きな字で『竹本 代矢(たけもと よや)』と書いた。
言うの忘れてた。私達の学校2年生の時に建て替えて3・4年はプレハブ校舎で5年生から新校舎になったんだ!
話がそれちゃったので戻しまーす。
それで、書き終わると私達の方を向いて、自己紹介をはじめた。
「竹本 代矢です。好きな動物はうさぎです。ゴマちゃんという名前のうさぎを飼っています。みんなの名前を早く覚えたいです。後、竹本先生って呼んでください。」
先生の自己紹介が終わると、みんな竹本先生が飼っているうさぎのゴマちゃんの話で盛り上がっていた。
そしてその後、明日の予定や新しい教科書などを配り、帰ることになった。
私は、帰りながら今日の事で考え事をしていた。それは、教室に見た事がない子がいたのだ。
確か〜名前は、裏岡(うらおか)さんだった気がする。
でも、竹本先生が明日自己紹介するよって言ってたから明日わかるか。



「では、出席番号順に前に出て自己紹介をお願いします」
そしたら、出席番号1番のひべっちこと比部 勇矢(ひべ ゆうや)がみんなの前に立って自己紹介をはじめた。
そして、ついにあの子が。
「大阪から転校してきた裏岡 奈々夏(うらおか ななか)です!みんなこれからよろしくお願いします!」
裏岡さんは私の斜め前の席に座った。



「あ〜。なんかいつの間にかグループできてるし。1人になったし。」
私は、3・4年仲が良かった4組のまーちゃんこと野上 真尋(のがみ まひろ)のところに行くことにした。
そして、まーちゃんのことを呼んで休み時間の時はいっつも立ち話をしに来た。
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