10日間彼氏
「だから、君の彼氏でいられるのは10日間だけなんだけど、それでもいい?」

それって、それって。頭の中で必死でこの状況を理解しょうと考えをめぐらせる。

そうか転校、するんだ。そんなぁ。

一瞬で頭から血の気がひいて、膝の力が抜けた私はグラッとよろけた。

「わっ、危なっ」

びっくりしたように叫んだ彼が、足元から崩れ落ちる私を支えて抱きとめてくれた。

「君、大丈夫?やっぱりやめておく?」

背中に彼の力強く私を支える腕を感じ、目の前にはたくましい胸があり、私はまた頭がクラクラしてしまいそうだ。

「いえ、絶対やめません。10日間彼氏よろしくお願いします」
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