10日間彼氏
「奈緒がねー、キスとかハグするような彼氏がいるんだー」

ゲーッ、なんでバレてるの?美里に。

「あんた、隠し事できないもんねー」

「そ、そ、そんなことないよ。ちょっと職員室行ってくる」

「ふーん」

まだニヤニヤ笑っている美里の視線を背中にチクチク感じながら、鞄からビニールの包みをだして、そそくさと教室を後にした。

昨日借りた傘を彼に返そうと思って、持ってきていた。

その傘は折りたたみ傘だったので乾かして、綺麗に畳んで、外からはわからないようにビニール袋に入れてきた。

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