10日間彼氏
気づけば彼も走っていて、スピードをぐんぐん上げて行く。

はやっ、陸上部なのかな?

実は、私は彼のことをほとんど、いや、全くと言っていいほど知りません。

こんな風に、知らない男の人の後を追いかけている、今の私はなんと呼ばれるんだろう。

スッ、ストーカー?

いやいや、深く考えるのはやめよう。

今は、ただ走る。

大きく腕を振りながら綺麗なフォームで走っていた彼が、曲がり角を曲がる。

ダメだ、また見失ってしまう。

昨日もおとといも、こんな風にマカれてしまったんだ。

行かないでー、お願いー。

「待ってー、待ってください」
< 3 / 224 >

この作品をシェア

pagetop