Face.

私の言葉を遮ってまでなんて失礼な。
ジト目で見るとまだ何かブツブツと呟いていた。



____第2ボタンまで開いたYシャツ。
緩んだネクタイ。
ワックスでセットした髪に似合った綺麗な横顔。

昔から「美形2人組」と呼ばれた私たちは自分自身に呆れていた。

寂しさから一緒にいるようになっていたのに、それが居場所になるなんて側からみたら贅沢なんだろう。


「柚」


懐かしい呼び方で呼ぶその声に今度は私が眉を垂らせた。




午後4時、春の始まり。




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