Snow Doll ~離れていても君を~


……ん。おいしい。

これなら海里も食べてくれるかも。


私はキッチンでカレーの味見をしつつ、リビングでTVをつけている海里へ視線を向けた。
対面キッチンだから、リビングの様子がよく見える。


海里はいつも外食やコンビニ弁当が多いというから、今日は私が作ってみることにした。

あと、サラダも作らなきゃ。

そう思って、味見を終えたスプーンと小皿をシンクに置きかけたとき。

横から海里の手が伸びてきて、私の使ったスプーンを取り上げ、そのまま味見をしてしまう……。


「──あ」

小さく呟く私。

彼は気づいていないのか、それとも気にしていないのか。


「普通に美味いな」


私を横目で見て、微かに口角を上げる。


すぐそばに立たれて、身長差がはっきり分かる。
私の目線の高さよりも上に彼の肩があるから、20cm以上の差がありそう。

いつになく近い距離に、なぜだかドキドキしてしまう私。



どうしよう。
一緒に住むなんて、心臓が持たないよ。




……でも。

その日も予想に反して何事もなかった。

まるで、兄妹で暮らしているみたいに──。


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