怨返し─赦されない私の罪─

それからというもの、逆に依奈は章太を避けた。教室で好き勝手やっているのも見ても黙っていた。教室で好き勝手やり始めたのはこの頃から、もうクラス全員が章太のいじめを知り、京吾の脅しがかかっていたからだった。
それは担任の先生も例外ではない。


依奈は心を無くした。昔のように明るく、勇気に溢れた心は欠片ほど残っていない。
あるとすれば、ボロボロの濡れ雑巾のような心だった。
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