怨返し─赦されない私の罪─
「仲...良かったんですね。私には小さい時からそんな人いなかったから...羨ましいです。」
「うん....私って本当に恵まれてたんだって...
章ちゃんに出会えて本当に幸せな事だって、今になって実感出来たよ。...遅すぎだよね....ははは...」
「そうですけど、気付けて良かったじゃないですか。その分頑張ろうって気持ちになるかもしれませんし。」
「うん...そうだね。ありがとう。じゃあ、また再開を」
♪〜
依奈の携帯から着信音が鳴った。依奈は泥団子の入った思い出の木箱を置いて、携帯をポケットから取り出した。
着信先は美苗だった。
依奈は目を見開き、慌てて電話に応答した。
「み、美苗!?どうしたの?」
「た、助けて依奈ぁ!!章太君に襲われてる!!このままじゃ殺されちゃうよ!!!」
電話越しの美苗は息を荒らし、切羽詰まっている状況のようだった。それだけで、どれだけやばい状態にいるのかは依奈はすぐに理解した。
「美苗!お守りは!?お守りは持ってるの!!?」
「はぁはぁ...わ、忘れちゃったのぉ!!ちょっとコンビニ行こうとしただけだったし!!私....もう限界!はぁはぁ!ずっと走ってる!!早く助けに来てよぉ!!」