怨返し─赦されない私の罪─


「え!?ちょ、大丈夫なの?」


「まぁヒリヒリするけど、こんなの何ともないわよ。それより....章太君のこと、嘘ついてて悪かったわね。」


静華は靴下を履き直しながら、申し訳なさそうな表情を作る。依奈はニコッと笑いながら首を横へ振った。


「ううん...ここまでしてくれて怒れないよ。それに、嘘をついていたのは私の為だと思ったからでしょ?私はこれにはもう足を踏み込まないようにするよ。」


「いいえ、やっぱり知っておくべきだった。確かに黙っていた方があなたの為だと思っていたけれど、今はそう思ってない。
近い内にまた説明する。いい?」


「.......うん。分かった。」


二人の約束が交わされると、二人のスーツの男が近付いてきた。倉庫の扉で堂々と不良達に言い放った人もいた。


「やぁ。私は丹沢っていう者だけど、ちょっと話があるんだ。いいかな?」


二人は黙って頷くと、丹沢は優しい表情で何度か頷いた。


「これから今までのことを聞かせてもらうけど、そんなに時間はとらない。親御さんにも連絡はしてるからすぐに迎えに来てくれる。

それにしても、竜がこんな行動をしてくると予想すれば良かったな。彼は身内以外には厳しい目はしてるけど、ここまで大胆かつ凶悪な事はしてこなかったんだ。
きっとそれ程、享吾君の死が辛かったんだ。」
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