鳴らない電話を抱きしめて

決別 〜二人の友達side〜

里緒菜の友達 〜絵梨side


「おい!ちょっといいか?」

朝から不機嫌そうに声をかけて来たのは、幼馴染みの修哉。

「何?もうSHR始まるんだけど!」

修哉は里緒菜の元彼 聡の友達でもある。

いくら幼馴染みとはいえ、親友である里緒菜を苦しめた元彼の友達。

コイツもこいつで、俗にいうイケメンの部類に入る為、言い寄る女は数知れず。

私は、汚い物でも見るような目で、修哉を見上げる。

「おい!そんな軽蔑する様な目で俺を見んな!」

当たり前じゃない。
だって軽蔑してんだもん!

アンタの友達の聡が里緒菜を苦しめてたのに気づかないなんて、絶対!絶対!あり得ないんだから‼︎

「ふん!分かってんなら、早く話をして!」

「…ったく。…朝から機嫌悪りぃな、お前は…。」

機嫌を損ねる原因は、アンタと聡でしょ?と心の中で毒付きながら、わざと

「修哉さん?お話とはなんですか?早く話頂けないのなら、後程にしてもらえます?」

と、笑顔を貼り付け超が付くくらい丁寧な言葉を吐いてやった。

一瞬仰け反る修哉を一瞥し、尚も笑顔で修哉を見つめる。

修哉は、じぃーと目を見つめられると弱い。

直ぐに顔を赤くして目を逸らす。

幼稚園の頃から一緒の修哉の弱点など、お見通しだっちゅーの。

思ったとおり修哉は顔を赤くして、そっぽを向く。

その途端、SHRが始まる鐘が鳴った。

私はニヤッと笑って、

「あら残念。お時間が来てしまったようですわね。では、御機嫌よう。」

踵を返して、教室に戻った。

後ろで修哉の クソっ! という声が聞こえたがガン無視してやった。

自分の席に着いて考える。

どうせ修哉の言いたい事は、里緒菜と聡の事だろう。

里緒菜は聡の裏切りから、聡本人は告げず決別した。

私達は、聡が彼氏らしくない事で、里緒菜がいつも悩んで苦しんでいた姿をずっと側で見ていた。


だから、里緒菜が聡と決別すると決めた事に私達は安堵した。

もう可愛い里緒菜がくだらない男の事で悩む事が無い事が、嬉しかった。

だから、修哉が何をどう言ったとしても、私は揺るがない自信がある。

里緒菜を聡には返さない。

私はそっとスマホを机の中で操作して、メッセージアプリのグループトークに文を打った

勿論、里緒菜以外に。

私の気持ちに賛同してくれる通知が次々にきた。

私は修哉と戦う決意を固くした。
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