perverse
たまにデート代節約のため、翔の家にお邪魔することがあった

閑静な住宅地の一軒家

両親と4歳年上のお兄さんと住んでいる

初めてお邪魔した時、日曜日だったので翔の部屋の前で宙さんと初対面する

「はじめまして。 翔さんとお付き合いさせていただいている 佐藤美波です・・・・」

ペコリと頭を下げる

「-------」

沈黙する宙さん。理由がわからないが、驚いている様子

「あっ、こちらこそ・・・・」

と言って慌てて部屋の中に入って行く

『急いでいたのかな?』

その時の私はこの出来事をその程度しか思っていなかった


その日の夕食は翔のお母さんの手料理をいただいた

テーブルの上座に翔と私、下座にはお母さんと宙さんが座っていた

お父さんは出張で不在。私の正面には宙さん。

お母さんの趣味はお料理だそうで大皿におかずがたくさん並び、もてなしをするためにバタバタしている

こんなシーン初体験で、どうしていいか戸惑う私

翔は私のことなんかお構いなく、マイペースに箸を勧めている

そんな私を見かねて宙さんが

「何食べる?取ろうか?」

と気を使ってくれる

誰かさんと違って本当にお優しいお兄様

ーーーーと呆れた私がいてた






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