breath
13
社長が私の部屋を去って何分経っただろう?

私はソファーの上で横になりながら考えていた

今、社長と樹さんが話をしている

私が知る事ができなかった、この2年間に彼の事を……

たぶん、もうすぐしたら私はこの場で現実を知る事になる

私……耐えられる……?

悪い結果を想像すると、全身が恐怖で震えそうなので何も考えないようにする

どんな結果であれ、私は前に向いて進まなければいけない

昨日の午前中までは確実に私は、前を向いていたのに……

樹さんは私の前に現れるだけで、私の心が乱されている

二年前の何もなかった、あの頃の初々しい気持ちが蘇ってくるよう……そんな空気が私の中で醸し出している

ソファーで横になりながら、腕を目の上に置く

今、この暗闇の中で眠る事が出来れば、私の中の心のダメージが薄まるのに……でも、心が重すぎて……できない私がいる

そうこうしているうちに、カチャッと部屋の鍵が開く音が耳に入った
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