breath
「お高くとまって!馬鹿にするのもいい加減にしてよ!」
中川さんの怒鳴り声が階段の踊り場に響く
馬鹿にされているのは私だと思うのですが
枕営業とかビッチとかいかにも私が身体で樹さんとの結婚を迫ったってこと?
確実に事実に反する
ただ真実を冷静さを失った中川さんに話しても通じないような気がする 
それに彼女は樹さんの同僚
私が説明するよりも、ケジメをつけて樹さんから話した方がいい
二年前もそうしてくれたし
「事実は同僚である高宮の方から後日説明させます。それでよろしいですか?」
私が業務用の口調で答えると、急に彼女が大きな声で泣き出した
彼女の行動が理解できず固まっている私
そこにたまたま通りかかる総務課長
「何やをっている?」
どう見ても痴話喧嘩にしか見えないだろう
「申し訳ございません。中川さんに引き止められて話ていたら急に彼女が泣き出して・・・」
「そうか。それより望月くん先ほど社長に来客が来ていたよ」
そう言い逃がしてくれる
どう考えても一般社員の中川さんと社長秘書の私が一緒にいるのはありえない
社長が情報が漏れるのを嫌がり一般社員と私を必要以上に接触させないのは上司の中では有名な話
それに助けられた
孤独だけど仕事に責任感はある
それより中川さんの件どうしよう

今日も定時に上がり食事の支度をする
社長も樹さんも仕事が大詰めで毎日帰りが遅い
私はバッシングのせいで食欲がわかなく1週間で2キロ痩せた
社長や樹さんと食事をする機会もめっきり減ったのでばれていない
10時過ぎ、疲れた顔で樹さんが帰宅する
機嫌が悪く見えるのは気のせいだろうか?
食事をテーブルに並べ樹さんの前の席に座る
「樹さん・・・」
私が話を切りだそうとした時
「今日中川さんを泣かしたんだって」
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