breath
「食べれるよ」
そう答え蔵庫に向かい缶ビ―ルを3本取り食卓に並べる
「明日美も飲む?」
私は首を横に振る
キッチンから『ジュッー』と餃子を焼く音が聞こえる
辺りを見渡すとお母様の姿は見えない
餃子を焼いているのは?

チラッとキッチンを見ると蒸し焼きをするための差し水を用意している高宮社長の姿が
その姿を見て固まる私
樹さんは缶ビ―ルを飲みながら笑っているし
「笑えるだろう?鬼の高宮社長の趣味が料理なんて」
イジワルそうに樹さんは言うけど、私も社長の意外すぎる姿が印象的でて吹き出しそうになった
「家はね昔から親父が料理をするんだ」

お父様が焼き上がった餃子を持って来てくれる
実家で食べるのと変わらないように見えたけど、餃子を箸で取ると違うのは明らか
パリパリのお羽根がついている

「あっ、スゴイ!」
大皿に盛られている餃子を箸で一つ取り、タレにつけて口に運ぶ
餃子はお母さんの味なのに・・・触感が違う
「おいしいです!」
思わず声を上げてしまう。お父様は嬉しそうな
「親父、良かったな。明日美に褒められて」
樹さん偉そう。この二人仲が良いんだ
今までは客としてしかこの家に来たことがなかったのでこんな親子関係を見た事がなかった
「デザートにケーキを買ってきているから」
またまた嬉しそうに言ってくれるから気を使う事なく過ごすことができた
ちなみにお母様はうちの母とカラオケに行ったらしい
相変わらずマイペースで脳天気な二人だ
高宮家に来て初めて過ごす夜は樹さんが「いっしょに寝る」と言うことを聞かないので仕方なく一緒に寝ることに
少し心細かったのでその気持ちが嬉しく思ってしまう
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